TEL:03-6869-4425

東京都港区虎ノ門1-1-21 新虎ノ門実業会館5F

図上演習

1 図上演習とは

 図上演習とは、対応すべき事態に関し、想定を付与することにより事態を疑似体験しながら、情報の収集、分析、意思決定、伝達等の対応を机上で行う実動を伴わない演習です。
 危機管理の担当者を育て、さらに全社員の危機管理意識を高めるための唯一の方法と言っても過言ではありません。
 しかし、図上演習を活かすことができるのは危機管理のみではありません。さまざまな意思決定や計画の立案に際し、実際に生じるであろう問題などを事前に把握し、対応策をあらかじめ準備し、策定された計画などに漏れがないことを確認し、さらには関係者の理解を深めるために実施に移す前にシミュレーションを行うことができるのです。

2 図上演習がなぜ必要とされるのか

 企業が新製品の開発に着手しようと考える場合、考慮しなければならない要素は無数にあります。必要な技術は自社にあるのか、特許はどうなっているのか、開発に要する時間は?、マーケティングやプロモーションはどうする?などそれぞれの専門部門が検討を行います。それらの整合を取る際に図上演習を行ってみると、考えても見なかった問題を発見したりすることがあります。
 どの時点でどれくらいの予算が必要になるのか、その時点で融資を受けるための説明ができるのか、などの問題が噴出してくるでしょう。また、ある時点で競合がほとんど同じスペックの製品を発表した、などの想定を出したりすると騒然となることは間違いありません。しかし、それらは現実に起きるかもしれないことであり、そのための対策はあらかじめ準備しておかねばなりません。
 そのようななかなか発見しにくい問題を洗い出し、それぞれの専門的知見を集めて計画を漏れがなく、かつ無駄のないものに仕上げていくためには図上演習が最適のツールとなります。
 
 また、危機管理の場合に顕著なのですが、判断は迅速かつ的確な初動が事の成否を決めてしまいます。しかし、その初動は、ほとんど情報がない状況下で行わなければなりません。
 さらに、多くの場合、正解のない問題と戦うことを余儀なくされます。結果だけでその適否が評価される厳しい決断を次々に下さなければならないのが現実の社会で私たちが行わなければならない意思決定です。
 
 それはちょうど救急救命医が、搬送されてきた患者を一目見て症状を看破し、的確な治療を施さなければならないのに似ています。
 優秀な救急救命医になるためには、多数の症例を研究し、多くの経験を積まなければなりませんが、組織がビジネスの世界で危機管理上の事態の実体験を豊富に積むことはできません。
 
 図上演習は、実際に経験を積むことのできない様々な事態を、想定上で経験することにより、僅かな手がかりから事態を看破し、得られる情報に含まれるバイアスに惑わされることなく、的確な判断を下すことのできる人材を育てることができる極めて優れた訓練方法です。
 
 実動を伴わないので現業を止めることのできない施設、公共交通機関や自治体のように不特定多数の対象者が存在する組織にとっても訓練がしやすいのが特徴です。

3 図上演習の導入例

 図上演習は古くから軍隊で行われており、自衛隊でも様々な規模で日常的に行われています。作戦計画を立てる際に、その仕上げとして図上演習を行い、青軍と赤軍に分かれて机上で戦って問題点を抽出したり、戦果と損害についての見積もりを立てたりしています。
 
 最近は図上演習の手法を用いた防災訓練を行う自治体もあります。DIG(Disaster Imagination Game)などと呼ばれ、地域住民の防災意識を高める目的で行われるケースが多いようです。

 ビジネスの世界においても、日本でも危機管理のコンサルタントの指導の下に防災等の図上訓練を行う企業が出てきています。

 しかし、残念ながらしっかりとした図上演習を行っている自治体や企業は多くはありません。本格的な図上演習を行っている組織が少ないため、基本を熟知し、十分な経験を積んだ指導者が育っておらず、コンサルタントが見様見真似で指導している図上演習が多いのです。

 しかも、多くは図上演習といいながら図上訓練に留まっています。演習と訓練は似ていますが、目的が異なっています。
 訓練は関係者の練度の向上を目的としており、あらかじめ準備されたシナリオを淡々と進めていきますが、演習はよりダイナミックです。当初考えもしなかった問題が発見されたりするため、事態がどう展開していくのかも予測できない場合があります。このため、訓練を指導できるコンサルタントは多いのですが、演習を指導できるコンサルタントは極めて少数です。
 
 この図上演習を防災訓練以外の経営判断などに用いるというコンサルティングを行っているコンサルティングファームは弊社のみですが、これは十分な図上演習の経験とビジネスの世界における知見の双方を持たねばできないからです。
 弊社のインストラクターは海上自衛隊で圧倒的な図上演習の経験を積み、その後ビジネスの世界を経験してきておりますので、この演習の醍醐味を余すところなくお伝えすることができます。

4 図上演習の用い方

 図上演習は実動を伴わないので、想定さえ出すことが出来れば、危機管理上の事態のみならず、あらゆる分野に応用することが出来ます。先に述べた新製品開発などの際にも大きな威力を発揮しますが、それだけでなくいろいろな場面に応用が可能です。

 例えば、会社が大きな儀式を行う場合、その実施要領を作成する際に図上演習を行ってみると計画に漏れがなくなるとともに、不測の事態への対応の準備もできるようになります。

 具体的には、プレイヤーに社長、専務、総務部長、総務係、来賓などの役職を割り振って、一日の流れを追いかけながら、途中で思いもかけぬトラブルを想定として与えてみればいいのです。

 つまり、シナリオどおりの訓練だけではなく、様々な問題点を発見し、その対応策を検討するためにも用いることが出来るのです。軍隊では主にこの目的のために図上演習を行っています。

 図上演習は、その手法に習熟してくると、いたるところで手軽に行うことができるようになります。会場を準備し、時間を取って行うだけでなく、経営会議や課内のミーティングなどでも気軽に「ちょっと図演でやってみようよ。」という感じで行うことができるようになります。

5 図上演習の実施要領

 図上演習は様々な目的で行われており、その実施方法はそれぞれの目的や参加者に合わせて異なりますが、基本的な方法は次のとおりです。

 まず、想定を出して図上演習をリードしていくコントローラー部と、想定に従って対応の訓練をするプレイヤー部に分かれます。

 そしてコントローラー部が出した想定にプレイヤー部が対応していきます。コントローラー部はプレイヤー部のリアクションを判定し、次々に想定を出していきます。

 この手順を繰り返していき、所定の段階に達したところで状況中止という指示を出し、最後に研究会を行い、講評をして終わります。

 想定とその対応をホワイトボードと紙で行う場合もネットで結んでコンピュータで行う場合もあり、また、数人で行う場合も数千人が参加して行う場合もあります。

6 図上演習の成果

 図上演習では、参加者の意識の高揚や手順への習熟などを図ることが出来ます。しかし、図上演習において得られる最大の成果は、危機管理やその他の様々な経営判断が求められる事態において指揮を執ることのできる人材グループの育成です。

 図上演習に際してコントローラーは様々な想定を出さなければなりません。しかも、効果を高めるため、その想定にプレイヤーが判断を迷うような効果的な伏線を敷いていくことが必要です。単純ではない状況を付与してプレイヤーの判断力を磨くのです。

 このような伏線を巧みに敷いていくことのできるコントローラーが、現実の様々な局面において、指揮を執ることが出来る人材に育っていきます。

 なぜなら、彼らはその事態における様々な可能性を把握し、その事態を極めて客観的に評価できる眼が出来ており、情報の裏に潜むバイアスや未知の問題を類推する力量を備えているからです。

 プレイヤーとして参加している人々は、与えられた想定に対する対応のみを考えていますが、コントローラーは、何が起きているのか、今後何が起こり得るのかを考えていますので、限られた情報の中で事態の本質を看破し、しかも正解のない問題に直面しても、うろたえることなく判断することができる実力が涵養されるのです。

 図上演習を常に社外のコンサルタントの指導に任せていると、このコントローラーのノウハウが社内に残りません。

 コンサルタントは図上演習の度に呼んでもらわなければならないので、このノウハウを囲い込んでしまうからです。

 つまり、自社でこのノウハウを獲得し、自ら図上演習を企画・運営していけるようになることが重要なのです。そこで育ったコントローラーがトップを強力に支えるスタッフになっていくからです。

 弊社ではこのコントローラーの養成に重点を置き、クライアントが独自に図上演習を運営できることを目標としたコンサルティングを行っています。

 図上演習の度に呼んで頂くよりも、皆様がいかなる事態にも毅然と対応して、それぞれの社会的責任をしっかりと果たし、事業を飛躍させていくお姿を見せて頂くことが弊社にとっての大きな喜びだと考えています。

7 図上演習コンサルティング

 弊社では次の二種類の図上演習のコンサルティングを行っています。

(1)コントローラー養成コンサルティング

 図上演習の運営・指導にあたるコントローラーを育てるためのコンサルティングです。図上演習を行うたびにコンサルタントを呼ぶのではなく、自社で企画・運営ができるようになることを希望される場合にお薦めのコンサルティングです。

 ここで育てられたコントローラーが危機管理上の事態においてトップを強力に支えるスタッフとなります。

 標準的には次の5回のコンサルティングで完結します。

第1回 図上演習組織の全体構成の策定

 組織の規模・業務等に合致する図上演習の組織及び実施要領の全体像を策定します。

第2回 図上演習プレイヤーチームの編成

 図上演習に参加するプレイヤー部の構成を作り上げます。

第3回 図上演習コントローラーチームの編成

 図上演習をリードするコントローラー部の構成を作り上げます。

第4回 図上演習指導要領の確立

 コントローラー部が図上演習を効果的にリードしていくために必要な仕組みを作ります。

第5回 図上演習企画運営要領の策定

 図上演習の効果を最大限に上げるための企画・運営要領を策定し、独自に図上演習を企画し運営していける体制を確立します。

 コンサルティング期間:標準的には月1回、5か月間を予定していますが、実情に合わせて調整のうえ決定させて頂きます。

 コンサルティング料:245万円

 対象者の人数に制限はありません。できるだけ多くの担当者の参加をお薦めします。

(2)図上演習実施支援コンサルティング

 図上演習の企画運営の方法が分からない、あるいはまだ自信がないという組織に対する支援を行います。

 海上自衛隊で図上演習指導の十分な経験を積み、企業での経験を通じてビジネスの実情を熟知したコンサルタントのチームが図上演習の企画段階から実際の運営まで支援を行います。

 コンサルティング料金:規模及び期間によって相談させて頂きます。

8 コンサルティングのお申し込み

 弊社ウェブサイトのお問合せフォーム、メール(info@aegis-cms.co.jp)またはファックス(03-6403-3199)で、ご希望のコンサルティング種別(コントローラー養成 または 図上演習実施支援)及びご担当者氏名、連絡先を記載の上、ご連絡下さい。

 当方から折り返しご連絡申し上げます。

 ご連絡を頂いた後、コンサルティングの内容について詳しくご説明させて頂きます。お互いの理解なしにコンサルティング契約を承ることはありません。
 ご了解を頂いたところで、日程やコンサルティングの要領を調整し、正式にお申し込みを頂きます。

 お問合せを頂いても、当方から勧誘のお電話などを差し上げることはありませんので、お気軽にお問い合わせください。

 コンサルティングのメニュー及び価格は改定することがあります。当ウェブでご確認いただくか、お問い合わせください。