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専門コラム「指揮官の決断」

第198回 

新型コロナウイルスワクチンより先に開発すべき薬

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今回は原則を破ります

当コラムは危機管理の専門コラムですので、世の中で話題になっている様々な問題について積極的に取り上げるという姿勢は持っていません。あくまでも危機管理の視点から切ってみるとどう見えるかという観点からの取り上げ方になります。

さらに、問題の性格上どうしても辛口にならざるを得ません。何故ならいい加減に処理されると多くの人命や国家の命運にかかわる問題を含むので、無責任な態度は許されないからです。

その結果、いろいろな著名人たちの言動についての批判もしなければならないことが多々あります。それは、それらの方々の発言や行動が世間に与える影響が大きいからです。

そして、話が抽象的になったり、何を言っているのか分からなくなることを防ぐために、実名を挙げさせていただくことがあります。

実名を挙げて批判するということは、こちらにも覚悟が必要です。私は匿名のSNSで他人を中傷しているのではなく、こちらも実名を挙げておりますし、それが私の本業に関わることであり、プロとしての存在をかけてものを言っているのであって、趣味で投稿しているのではないからです。

私が特に厳しいのは、政治家、公務員、マスコミ関係者、評論家、学者であり、彼らの言動は広く国民一般に影響を与えるからです。したがって、私が実名を挙げて批判したりするのはこれらの人々が圧倒的に多くなっています。

しかし私はあくまでも私の専門的見地から批判をするのであって、自分の専門でない事象については相当な思いがあっても抑えています。また、専門でない分野について言及する際にはその旨を表明しています。

さらに、これは常識ではありますが、専門的見地からの議論をしていますので、特定の人の言動について批判することはあっても人格否定になるような発言は控えています。

何をグダグダ言っているんだ、と思っていらっしゃる方が多いかと存じます。理由は明快で、今回はその原則を破るコラムになるからです。

新型コロナウイルスワクチン開発より急務な薬とは

今回のコラムのタイトルは、新型コロナウイルスに有効なワクチンよりも先に開発すべき薬があるだろうという問題提起として受け取って頂ければ幸いです。

結論から申し上げます。

それは○×につける薬です。差別用語ということなので伏字とさせて頂きますが、昔からある特定の人に効果をもたらす薬がないということは言われています。しかし、何とか現代の科学力を総動員して早急に開発しないと、新型コロナで国が亡ぶことはないと思いますが、この○×が国を亡ぼす恐れがあります。

問題はこの薬を必要とするのが誰かということですが、ズバリ申し上げますが、テレビ局及びそこでコメントを述べている出演者たちです。

何が問題なのだろうか

この2週間程度のテレビのニュースやワイドショーをご覧になっていればお分かりかと思いますが、連日、「東京の感染者が200名を超えました。」等の放送が行われています。そして感染の拡大が止まらない状況にコメンテータたちが好き勝手なコメントを付けています。曰く「医療崩壊が迫っている。」「このままだと米国のようになってしまうのは時間の問題。」云々

まず疑問なのですが、連日の感染者数と称する棒グラフを見ていて、どうして感染者が増えているとテレビのコメンテータの皆さんは理解できるのでしょうか。

そもそもテレビが伝えているのは「感染者数」ですらありません。「感染が判明した人の数」です。実際の感染者はもっと多いはずです。それはテレビがこのウイルス騒ぎの最初の方に散々批判してきたことです。彼らは日本の感染者数が少ないのはPCR検査数が少ないからで、実際にはこの数十倍、あるいは数百倍の感染者数がいるはずだと主張していました。

当然のことながら感染が判明した人の数と感染者数は異なります。

感染者数は感染が判明した人の数から推計することができます。しかし、そのためには何人に検査して何人の感染が判明したのかが分からないと計算できません。

テレビの報道だけだと、その検査数が分かりません。テレビ局は全体の検査数を知っているのかもしれません。しかし、全体の検査数が分かってしまうと、感染者が増えているといって視聴者の恐怖心を煽ることができなくなるので伏せているのかもしれません。

あるいは全体の検査数は知らず、発表される感染が判明した人の数しか知らないのかもしれません。そうであれば、それをもって感染者が増えていると断定するのは明らかな間違いなのですが、それを理解するオツムをテレビ局は持っていないのでしょう。

もともとテレビはPCR検査を増やせと大騒ぎしたはずです。検査数を増やせば陽性だと確認される人の数が増えるのは当たり前です。たとえ本当の感染者は減っていても、検査数が増えれば陽性と判定される人の数は増えるのが当然です。

千人に検査をして100人の陽性が分かり、次の検査で1万人に検査して陽性だと判定された人が150だったとしたら、感染が分かった人は50%増えたことになりますが、統計学的には感染者数は激減していることになります。

つまり、PCR検査を増やせば陽性反応者は必ず増えるのです。それなのに実際に陽性反応の人が増えたら大騒ぎをするというのはどういうことなのでしょうか。何をうろたえているのでしょうか。

はっきり申し上げます。この連中につける薬の開発がコロナワクチンの開発よりも急務です。

マスコミの役割として世間に警鐘を鳴らすということは非常に重要だと考えます。それがマスコミの使命だとも思います。

しかし、それはしっかりとした根拠を持っていなければなりません。

ところが現在のテレビはその役割を果たすことができません。何故ならテレビ局向けの薬がまだないからです。

ヒトラーの野望を彷彿させる

歴史を振り返ると、極めて恐ろしい光景が浮かび上がってきます。

第1次世界大戦の敗北により、巨額の賠償の支払いのために凄まじいインフレーションに見舞われたドイツは社会情勢が極めて不安定になりました。そこへ登場したのがヒトラーです。

彼はデマゴギーの天才で、ドイツ国民の不安な心情に漬け込み、それを煽って政権を取りました。彼の『我が闘争』という本を読むと、彼もこのコラムが必要だと主張している薬の強力なものを相当量必要だったことが分かりますが、現在の日本のテレビ局についても同様の思いを抱きます。

視聴者の不安を煽るだけ煽り、世論を誘導しようとする真意が見えそうです。

ちょっとしたティップスを

さて、弊社には感染症の専門家がいないという理由から、感染症対策について申し上げるということは避けてきました。しかしながら、危機管理の専門家として、この事態にどう対応するのかということにまったく無関心であるわけにもいかず、クライアントにもそれなりのアドバイスをしなければならないことも事実です。

そこでこれまで半年間の間に分かってきたことを統計やORの手法を用いて検証し、ゲーム理論の助けを借りて解釈したことなどからちょっと皆様にお役に立つティップスについて申し上げます。これを信じて何らかの参考にされるかどうかは皆様次第です。

ウイルスの正体は

まず、この新型コロナウイルスは空気感染はしないので、飛沫と接触に注意すればよいということになります。

一部にエアロゾルを疑うべきという議論はありますが、R0(基本再生産数)が1.4から2.4程度であり、よく分かっていなかった当初の武漢でも3.2程度が観察されているにすぎません。空気感染するのであれば少なくとも8とか9を超えるはずです。電車通勤を主とする日本のビジネスマンにまん延していないことが空気感染していないことの証左です。

ただ、何事にも例外があり、どうしても空気感染が疑われる例はあるかもしれませんが、それはサマージャンボ1等に当たる確率よりも低いかと思います。

そうであれば、飛沫をまき散らさないようにマスクをすることはもちろんですが、頻繁に手を洗うことが重要です。ただし、何も石鹸でごしごしと30秒かけて洗うということを頻繁にやるということではありません。手術に臨む外科医は患者の傷口を触ることになるので念には念を入れて手の殺菌に務めますが、私たちは体内に入るウイルスをゼロにするのではなく、体内に入っても増殖を続けられるほどの数のウイルスを受け入れなければいいのであり、それは専門家によればウイルスが付着しているつり革などを触った場合に指や手のひらに付くウイルスをおよそ100分の1に減少させればいいということだそうです。

100分の1に減少させるのは水道の流水で10秒程度洗っても達成できますし、ウェットティッシュで丹念に拭っても達成できます。携帯用のアルコール配合の除菌ティッシュがあれば、それで拭うことでも100分の1にはなるのだそうです。

要は手についたウイルスが口から体内に取り込まれなければよいし、それもゼロにするのではなく、体内で増殖していくのに十分な数のウイルスの侵入を防ぐことができればいいという観点から見直せばそれほど難しいことではありません。

その観点からウイルスを眺めると、付着してから20時間たっても残存しているというデータもあるようですが、感染力を持つだけのウイルスが残っている時間はより短く、例え何もしていなくとも一晩放置された部屋であれば感染の危険性はほとんどなく、旅館などは次の客のチェックイン前にしっかりと清掃をしておけば、前の客のウイルスから感染する確率もほぼゼロとなります。

つまり、このウイルスを地上から根絶させることはできないので共存するしかないとなれば、健康を脅かさない程度に減少させることを考えていくことが現実的な対応となります。

統計上の致死率を見た場合、圧倒的に高齢者が高いことが分かりますが、平均寿命を超えた高齢者の死因が何であるかを議論することにはあまり意味があろうとは思えません。統計上の平均寿命を超えた高齢者の場合は何が原因で亡くなっても不思議はなく、誤嚥性肺炎などで亡くなる方が多いのが、たまたま肺炎の原因がコロナウイルスだったということだと解釈すべきでしょう。さらに、平均寿命以前に新型コロナを原因として亡くなるのは基礎疾患をお持ちの方が圧倒的だということも分かっています。この基礎疾患には高血圧症など「○○症」を含みません。「○○病」を指します。

これを要するに、通常の健康体の方であれば、マスクをして手の除菌に気を使うことによりほとんど問題がないはずです。

テレビに騙されて怯える必要はない

要するに東京を筆頭に大きな都市での陽性反応者数の増加が観測されていますが、テレビが騒ぐように怖れる必要はないということです。このウイルスを地上から根絶することができないのであれば、早く免疫をつけることにより解決するしかありません。そうでなければ私たちはいつまでも無菌室から外に出ることができなくなります。

早く社会全体が免疫を獲得するためには感染者は増えなければならないのです。

その過程で重篤化して命を落とす方が多くなるのであれば問題ですが、重篤化する人数は極めて少数ですし、亡くなる方の数もわずかです。

つまり私たちの社会は着実に免疫を獲得しつつあるということです。

しかしテレビ局は、陽性反応が確認された人の数を感染者数であると偽って報道し、検査の母数を隠して感染者の増加に歯止めがかからないと恐怖心を煽っておきながら、発症して患者となっている人の数が一方的に減り続け、重篤化する患者数が激減していることには沈黙しています。さらに平均寿命以下の死亡者がここしばらくゼロであることには目を向けてもいません。

この国を経済的に破滅させようとするつもりか

それなのにワイドショーでは政府が前倒しで始めようとしているGoToキャンペーンを批判しています。少なくとも様子を見て遅らせるべきだというのです。

上記で述べてきたことからお分かりになるように、家族やカップルで旅行に出かけても感染が拡がるということにはなりません。

家族やカップルは旅行に行かなくても濃厚接触者ですし、ホテルや旅館も宴会場での大宴会やビュッフェスタイルの食事などを中止すれば客同士あるいは客と従業員間の感染は防ぐことができます。

一方で、観光関連のビジネスは絶命寸前に追い込まれているところがほとんどでしょう。一日でも早い観光客の到着を待っているはずです。様子を見て遅らせたとしても、夏のシーズンを逃すと生き残れない業者が続出するはずです。

番組によっては緊急事態宣言を再度出すべきと主張するコメンテータを登場させているものもありますが、この連中を観光地の旅館から放送させればどのようなコメントを発するのか見ものだと思っています。

このウイルスによる陽性反応確認者はまだ2万人を少し超えた程度であり、その死者は1000人に達していません。そして、その感染の拡がり方も大体分かってきました。そのうえでさらに様子を見て経済活動の再開を遅延させるというのはどういう発想なのかよく分かりません。

何故自動車の運転は禁止されないのか

私たちの社会では毎年交通事故によって3千人程度の人が亡くなっています。誰もが交通安全に心がけているはずで、様々な教育が行われ、規制措置が取られ、道路の表示や交通ルールにもいろいろと工夫がされています。それでも3千人の方が亡くなっています。

これを防ぐために、車両の走行を一切止めるということを考える人はいないでしょう。そんなことをしたらどうなるのか誰にでも分かるからです。

ところが3千人が亡くなっても車の運転は制限しないのに、千人が亡くなり、そのほとんどが基礎疾患を持っていたり平均寿命を超えた高齢者であるにもかかわらず経済を止めるという発想は私の理解を超えます。

貨物輸送の車両、バス及びタクシー以外の運転を禁止すべきという論者が一人くらい現れてもいいのではないかと思いますが。

関西では、夜通しのパーティーに参加しカラオケ店などに行っていた看護師が院内感染を引き起こしたりしています。東京でも夜の社交場でろくな感染対策もしない店で遊んで感染した20代・30代の若者が続出しています。だからといって再度緊急事態宣言を出すべきかどうかという議論とするのはいかがなものかです。

自動車だって、酒を飲んで運転する者、煽り運転をする者が後を絶ちませんが、だからといって自家用車の運転を禁止せよという議論は起きていないはずです。

繰り返しますが、陽性反応者が増えているのに重篤化患者や死亡者が増えないのは社会が免疫を獲得しつつあるという証なのです。それにもかかわらず経済復興を考えないということになると、それこそ失業率が上昇し、併せて自殺者が数万の単位で増えることになります。

よく自殺は本人の意思なので対策は別に考えるべきという論者がいますが、正気かと疑いたくなります。失業率と同じカーブを描く自殺者数ですが、自殺する人たちは心の病気で亡くなっているのであって、本人の意思で亡くなっているのではありません。英国や日本の軍艦の艦長が艦と運命を共にしたのとは事情がまったく異なるのです。

早く薬を・・・

テレビ局は極めて悪質な企みによって放送を続けているのか、あるいは強力な薬の投与が必要な○×なのかのどちらかであることは明らかなので、こんな連中に騙されてはいけません。まともな中学生なら理解できる理屈が分からない連中ばかりで作られている番組なのですから。